在宅輸血件数が100件をこえました

開院から2年が経ちました。開院当初より「輸血を必要としているにもかかわらず、在宅であるという理由で輸血の継続をあきらめざるをえない」患者さんを、ひとりでも減らしたい、という思いを抱いて、小田原地域で在宅診療を続けてまいりました。

当院で最初の在宅輸血を行ったのは2025年2月でした。そこから2026年8月までで、計106件(赤血球輸血93件・血小板輸血13件)をおこないました。急性白血病・骨髄異形成症候群といった、造血器腫瘍(血液がん)の患者さんをはじめ、固形がんの骨髄転移に伴う造血障害・出血・消耗性貧血など、さまざまな患者さんに、ご自宅・施設で輸血をおこないましたが、幸いにもこれまで重篤な有害事象の出現はなく、安全に施行可能でした。

「輸血のために毎週遠く離れた病院に通っているが、通院が辛くなってきた」
「自宅に帰りたいが、輸血があるので退院することができない」
「積極的ながんの治療はしたくないが、現在行っている輸血は自宅に帰っても続けたい」

そんな患者さん・ご家族の思いを支えることができたら、と考えます。お役に立てることがありましたら、遠慮なくご相談ください。

在宅で輸血を行うことには抵抗がある、輸血は病院でするもの、というのがこれまでの本邦における医療の常識でした。当院では、これまで血液がんの診療において、豊富な輸血の経験のある血液専門医・がん薬物療法専門医の資格を有する、複数の医師が患者さんの診療にあたっています。また、在宅輸血を推進しているNPO「血液在宅ねっと」に世話人として参画しています。

定期的な輸血が必要であったものの、病院への通院が難しく、赤血球輸血を中断されてしまった患者さんがおられました。当院にお声がけいただき、初めて伺った際には、重症貧血で身動きが取れず、食事もままならない状態でした。在宅輸血を行うことで輸血を再開したところ、みるみる血色が良くなり、食事が取れるようになりました。大好きだったビールをふたたび飲めるようになり、「おいしい」とおっしゃったときの笑顔がまぶしく、わすれられない出来事となりました。

最後になりましたが、これまで在宅輸血を当院とともに行っていただいている、訪問看護ステーションの看護師さまにお礼を申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

当院と連携して在宅輸血に対応いただいている訪問看護ステーション(2026年9月現在・五十音順・敬称略)
  • アコモケア訪問看護ステーション
  • 医心館訪問看護ステーション小田原
  • コンティス訪問看護リハビリステーション
  • 潤生園訪問看護ステーション
  • スマイリィー訪問看護ステーション
  • 訪問看護ステーションナースの森・小田原
  • 訪問看護ファミリーホスピス小田原
  • 訪問看護リベル小田原
  • マカロン訪問看護リハビリステーション小田原

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